岡山建築探訪～成羽町美術館

岡山市西部に位置する静かな町、高梁市成羽町（たかはしし　なりわちょう）。
緑豊かなこの場所に、なぜか突如あらわれるモダンな建物。「成羽町美術館」です。


かの有名な安藤忠雄建築（1994年に3回目のリニューアルが完了。このときの設計が安藤忠雄さん）。
小学校に畑に山、という周辺の環境を考えると、ますますここにあるのが不思議です。

今回、激しい雨の中この美術館を訪れたのは、秋の特別展「美術館に行こう！ディックブルーナに学ぶモダンアートの楽しみ方」を見るためです。

ディック・ブルーナとは、いわゆる「うさこちゃん（ミッフィー）」で有名な絵本作家・グラフィックデザイナーです。
この人の色づかいや、かわいいキャラクターが好きで、成羽町まで来てしまったのは私だけではないはず。
そして、思った以上に楽しんでしまいました。

この特別展では、ミッフィーがガイドとなって、モダンアートを見る「見かた」を教えてくれます。
といっても、難しいことや解釈論を説明するわけではなく、「こんなふうに見てみたら？」というヒントをくれる感じなので、普段アートに親しむことのない大人も、こどもも、楽しく肩の力を抜いて見ることができます。
展示は、以下のようになっています。
★〈第1部：見てみよう〉ブルーナも影響を受けたモダンアートを中心に、ミッフィーのガイドが添えられたコーナー。成羽町美術館に加え、天保山サントリーミュージアムなどの所蔵品を展示。
★〈第2部：考えてみよう〉ブルーナの過去作品の展示や、作品がどのように作られているのかを紹介するコーナー。
★〈第3部：作ってみよう〉が絵本を作るのと同じ方法で、絵に色をつける、体験コーナー。

特に、第2部はボリュームがあり、ブルーナが出版社に勤めていた時代にデザインしたペーパーバックの展示など、見ごたえがありました。数年前に東京・高島平の美術館で見た展示と似た感じでしたが、空いていたのと、建物がきれいだったので、今回のほうが良かったという印象があります。

体験コーナーも、思ったよりもはまってしまって、かなり長居をしてしまいました。

こんなかんじで、ぬり絵のような用紙に、色紙を貼り付けて着色します。

かなり個性が出ます。
あたりを見回すと、こどもだけでなく大人もかなり真剣でした。

この美術館、きっと晴れた日には光が差し込んでもっと居心地が良いことでしょう。
晴れた日に、もう一度来たいです。

※成羽町美術館webサイト
→http://www.nariwa.ne.jp/museum/

タグ：成羽町美術館 安藤忠雄 高梁市 ディック・ブルーナ 美術館に行こう モダンアート

コメント 2

をを・・・色んな意味で興味があるものが二つ。
ものすごーーーく偏った（かつ短い）意見を言っちゃいますと。
アンドー建築は「発展途上国」の「洗練された人」が欲する「それ自体がエネルギーがあって若いから入り込む余地があまりない（色が無彩色だからあまりそう感じないですけど）」もので。
ブルーナ作品は「先進国」の「発展途上人（つまり子供）」に合うのではないかと思っています（で、ある程度枯れているから、「自分」が入り込む余地がわざとつくってある）。
だから・・・例えばこの美術館が出来たとき思ったのが「この構成とプログラムはそのままで、他の素材を使う・・・ってことは考えなかったんだろうか・・・考えなかったんだろうな・・・」ということでした。
別の言い方だとアンドーさんのほうは「何かと何かがぶつかった後の姿」で。ブルーナさんは「何かがぶつかってくるのを待っているもの」の様な気がするんです。
by ハムニ (2008-10-07 00:10) 

ハムニさん

考察ありがとうございます！なんだかすごい。
だとすると、成羽町美術館でブルーナ展をやるのは、めぐりあわせ！？
私が行ったときは、大雨だったこともあって、コンクリート色の壁やらがすこし暗く感じました。たしかにあれに色があったら、たとえば木だったら、また違う印象になったのかもしれませんね。
あと、「安藤忠雄の美術館があるらしい」ということで、観光客が成羽町に出かけていくというのがすごいなあと思いました。海外のお客さんだって、きっと見にきたりするんだろうし。文化財の力を感じちゃいました。

by kirakira (2008-10-07 01:04)