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岡山アート~くらしにアートが潜む島「直島」 [美術館・博物館]

「瀬戸内海にアートの島がある」

岡山にきたときから、ずっと噂には聞いていました。
先日、やっとその「直島」(なおしま)へ行くことができました。

直島は、住所としては香川県なのですが、岡山側から行ったほうが近いのです。
岡山県玉野市にある宇野港(うのこう)から、フェリーで20分。

私は今回、車ごとフェリーに乗り込み、片道1,880円でした。車のタイプによって料金は異なります。
車でフェリーに乗るなんて、初めての経験です。
うきうきしながら、船内をぶら~りすると、なんだかレトロなダンスホールのよう…
デッキからは、穏やかな瀬戸内海を見ることができます。でも冬は寒いです。
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そうこうしている間に、直島に到着。直島本島の面積は8.13平方km、人口は約3,600名。
え、3600人も住んでるの?! と思うほど、一見小さな島です。naoshima001.jpg
焼き板を使った民家の塀が、ゆるりとした街並みをつくりだしています。
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なぜこの島がアートの島になったのか。
はじまりは1989年、当時の福武書店(現・ベネッセ)会長と、当時の直島町長が共同で、直島国際キャンプ場というこどものための施設をオープンさせたこと。その後、「瀬戸内海の風景の中、ひとつの場所に、時間をかけてアートをつくりあげていく…」というコンセプトのもと、宿泊施設がオープンし、続々とアートイベントが行われ、展示も増え続け、いまに至るということです。
(詳細は、「ベネッセアートハウス直島」WEBサイトをご覧ください
http://www.naoshima-is.co.jp/concept/history
というわけで、島の中はあちらこちらにベネッセの文字が。

さて、車ごと下船し、一路「本村ラウンジ&アーカイブ」というショップ兼ラウンジへチケットを買いに行きます。
直島には様々な見どころがありますが、今回の目的は、「家プロジェクト」と「地中美術館」。
しかし、ここで予想外の出来事が!
なんと、地中美術館が年に数度のメンテナンス期間中で休館。
メインだったのでショックでしたが、来てしまったものは仕方がない。他をじっくり楽しむことにしました。

「家プロジェクト」とは、直島の町を舞台とした常設のアートプロジェクトで、「本村地区で古い家屋を改修し、アーティストが家の空間そのものを作品化したプロジェクトを公開しています。ここでは、それぞれの建物、ひいてはそこで営まれていた生活や日本の伝統、美意識に対峙した空間が形づくられています。」
ということです。
ともかく、見てみないと何が何だかわからないので、行ってみることに。

「家プロジェクト」のうち、共通チケットで入ることができるのは6か所。

まずは、安藤忠雄設計、ジェームズ・タレル氏の作品がある「南寺」へ。
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建物の前には係りの人がいて、とても親切に説明と誘導をしてくれます。
この作品は、真っ暗な建物の中で、じーっと前を見つめていると、何かが見えてくる…というもの。
とにかく「闇」なので、見えているのか見えていないのかすら、わからなくなるのがおもしろいです。

次は、杉本博司氏の作品がある「護王神社」。
小高い山の上に、神社のような祭壇のようなものがあります。
ここにも係りの人がいて、なぜか懐中電灯を手渡されました。ここは、地下に石室があるのです。石室の狭い通路の中に入ると、音が不思議に響きます。
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奥に階段があり、そこが上の神社とつながっているというコンセプトのようです。

私が気に入ったのが、大竹伸朗氏の作品がある「はいしゃ」。
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以前、歯科医院兼住居として使われていた建物を大胆に作り変えているのですが、これがおもしろい!建物の中に自由の女神があったり、部屋が奇抜な色で塗りかえられていたり、床面がアクリル板になっていて、書物や書類、通帳までが展示されています。なんだかとっても楽しい空間です。

他にも、昔本当に住民が集まっていた場所に造られた「碁会所」、不思議な静けさを感じる「石橋」、デジタルの海が見られる「角屋」もおすすめです。

なお、内藤礼氏の作品がある「きんざ」という場所のみ予約がないとみられないので注意が必要です。料金も別に500円が必要。一人で入るのが必須条件。坐禅のように、一人で座りながら、15分まで中にいられます。私は7分くらいで出ようとすると、係りの人に「もったいないからもうちょっといなさい」と言われました。

その後、「ベネッセアートハウス」でお茶をして帰ろうと思ったのですが、宿泊者以外は一キロ先の駐車場しか入れません、と言われたため、断念。外はとても風が強く、寒かったので、海岸沿いにある草間彌生氏の作品・黄色の「Pumpkin」だけ見て、フェリー乗り場まで戻りました。
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フェリー乗り場には、赤のカボチャがあります。中にも入れます。

フェリーの中で思ったのが、直島は「生活の中にアートが潜む島」だということ。
アートが町のいたるところにあるのにもかかわらず、町の人はいたって自然。
私たちのような観光客にも、おばあちゃんが「角屋にいってきたの?」と気軽に声をかけてくれました。

今年一番といわれるほど人が少なかったせいかもしれませんが、落ち着いてゆっくりと、自然の中でアートを感じることができました。
次は、地中美術館が開いているときに行きたいです。

※家プロジェクト→http://www.naoshima-is.co.jp/concept/art/ie_project.html
※直島町の見どころ(直島町観光協会WEBサイト)
http://www.naoshima.net/view/index.html

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コメント 4

ちょんまげ侍金四郎

松山から広島まで船で移動したことがあるのですが、瀬戸内海って静かでいいですよね
島また島で不思議な感覚なんですよね、本当に船がどっちの方角を走ってるのかさっぱり分からなくなって、そのうちウトウトしてきちゃいました(笑)

by ちょんまげ侍金四郎 (2009-01-30 17:36) 

ハムニ

えー、アンドー先生の地中のアレもごかんそうをぜひ。
タレルさんは当時「この手があったか!」とちょっと焦ったのを覚えています(あ、私のテーマが当時「影」だったのですよ)。

瀬戸内海と言えばこーゆーところもありまして・・・。
http://www.kousanji.or.jp/index.html
えーとどっかの誰かが修復とかしてたらしいのでよろしければこちらのほうも・・・。
毎朝船で通勤・・・ってなんだか優雅だなあと思った覚えがあります(寝過ごすとえらいことになっちゃいますが)。

by ハムニ (2009-01-30 20:30) 

kirakira

ちょんまげ侍金四郎さん

松山いいですねえ!行ってみたいところのひとつです。
おっしゃる通り、瀬戸内海は本当に静かですよね。
フェリーも全然揺れませんでした。
波がないために、削られることなく島が残る、という話を聞いたことがあります。

by kirakira (2009-01-31 00:47) 

kirakira

ハムニさん

はい!ぜひ次回は地中にもぐりたいと思います。
タレルさんの作品は、おもしろかったですよ。
耕三寺博物館は、広島県にあるんですね。
こちらもぜひともいってみたいです!
中国四国地方は、気がつくと他県に越境していたりするのがなんどか楽しいです。
by kirakira (2009-01-31 00:52) 

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